前職で一緒に働いていた「梅さん」には虚言癖があった。
雑談の最中、シュバって自分のエピソードを被せてくるタイプだった。
例えば、ディズニーランドの話題になれば「俺、ディズニーで働いてたからチケット優先的に取れるんだよね」と言い、美味しいパン屋の話では「俺、その店の常連だから、残ったパンもらえるんだよ」と言ってのけた。
嘘をついているときの梅さんの目は、とてもキラキラと輝いていた。
おそらくドーパミンが大量に分泌されていたのだろう。
最初はみんな面白がって話を聞いていたが、徐々に嘘がバレていき、次第に相手にされなくなっていった。
ある日、同僚に厳しいツッコミを入れられた梅さんは、さらに嘘を重ねるしかなくなり、話の辻褄が合わなくなって会話が破綻。
「嘘ついてんじゃねえ!」と強く叱責された。
嘘ばかりつくため、周囲との信頼関係も崩れ、結局梅さんは職場を去ることになった。
梅さんのようなタイプの人は、注目されたい、目立ちたいという気持ちが強いのかもしれない。
しかし、嘘をついて目立っても、その場は楽しいかもしれないが、決して長続きはしない。
やはり、誠実さが大切だと感じた出来事だった。
梅さんは今もどこかで元気に嘘をついているのだろうか。
虚言癖の恐ろしさを実感した話である。