魚を扱うことに関して、和食の現場では活締め後の時間が味にどう影響するかっていうのは、めちゃくちゃ大事。
俺も料理人として12年ほど魚を捌いてきたけど、魚の旨味が時間経過でどう変わるかっていうのは実際に経験してきたところ。
魚を締めたあと、4〜8時間くらい寝かせると、イノシン酸とかの旨味がぐっと引き出される。
これが、魚の味に深みを与えるために必要な時間ってわけなんだよね。
でもね、ぶっちゃけ白身魚に関して言うと、俺は旨味よりも、締めた直後のあのコリコリ感がたまらなく好き。
超好き。
身もだえるほど好き。
白身魚って淡白だからこそ、新鮮な歯ごたえが際立つ。
たとえば鯛とかヒラメ。
締めたてを食べると、透明感ある身がシャキッとしてて、歯ごたえがある感じがもう最高。
時間置いたグズグズの透明感が無い刺身とは全然違うんだよ。
もちろん、しっかり寝かせて旨味が出た魚は美味しい。
寝かせた魚を使う料理は、それなりに重厚な味わいが楽しめるんだけど、白身魚に関してだけは、やっぱりその新鮮さが一番だと思ってる。
ま、完全に個人的な意見ではあるんだけどね。
新鮮な白身魚の「コリコリ感」って、魚が生きてた証拠みたいなもの。
アジの活け造りなんかもそうだけど、締めたばかりの魚って、まだ筋肉がしっかりしてるから、噛むとシャキッとした食感が楽しめるんだよ。
「今しか味わえない」感覚。
まさに魚と向き合ってる瞬間。釣った魚を速攻で捌いて食べるのも同じ。
これが最大の魅力だと思う。
締めたての新鮮な白身魚を口にしたときのあの感覚、これが俺にはたまらない。
結局、白身魚に限ってはその新鮮な歯ごたえが一番の魅力だと思ってる。
そんなお話でした。
じゃ、またね。